優勝者と一緒に飲みたいワインを当ててみてください。

室内楽コンクールOSAKA事務局, 聴衆審査員の皆さまへ

 皆さまはワインはお好きですか?

 私たちは、活動の初期段階の学生の時から師匠にワインをずっと教えてもらっていたので、さまざまなお料理とのマリアージュについて考える事が大好きです。これは、活動の基本である「アッセンブラージュ(アンサンブル)」を考えるための基本的な姿勢ですが、単に皆んなでワイワイと楽しい時間を過ごすのが大好きなだけかも知れません。

 もちろん、ワインは、ローマ時代から飲まれている飲み物で、世界中で愛されています。国内ではコンビニでもスーパーでもワインは取り扱っているし、何処でも楽しむ事ができます。

 でも、ワインの特徴を的確に表現して説明できる人ってほとんどいません。突然、誰かにプレゼントする事になったら、お財布の中身と相談しながら、エチケットを見て考えると思うんです。心の底では、「赤玉ポートワイン」の方が美味しいかもしれない。って、自問した事ってきっと、皆んなあると思います。

 クラシック音楽って、それとよく似ています。あっ、コーヒーの銘柄も同じ感覚かもしれません。(コーヒーのお話は今度じっくりとお話しします)

 日本の教育現場では、クラシック音楽を幼い時から教えていて、ベートーベンやシューベルトの名前を知らないという人は、さすがに何処にもいないと思います。しかし、一体ベートーベンの何処が素晴らしいのかと聞かれて、的確に答えられる人は少ないと思います。

 名前は知っていて、手を伸ばせばすぐに触れるところにありますが、実はあまりよくわかっていません。

 バッハ、モーツァルト、ベートーベン、ビックな名前はもちろんみんな知っているけど、この三者の違いはあまりよく分かっていないかもしれません。

 東京のプロオーケストラは十団体を超えているけど、映像を見たとしても、どこの団体か全て答えられる人って、まず、いないと思います。野球やサッカーみたいにユニフォームがないので、仕方がないのかもしれませんが、何処かのテレビ番組みたいに、プロと高校生の演奏の違いも分からない人がたくさんいると思います。

クラシック音楽って、一部の愛好家だけのものなのでしょうか?

 この両者に共通するのは、すぐに手を伸ばせば届くところにあるけど、実はよく分かっていない。あるいは、本質的に素晴らしいのだとは理解しているけど、圧倒的な体験をした事がないという方が多くおられると思います。

 また、両者を理解するまでには、たくさんのお金と時間がかかるということもあります。極東に住む貧乏学生だった私にとっては、ハンデでしかありません。

 さらに、それらをよく知っている人のウンチクは聞いた事があるけど、その話を聞くだけで嫌いになったという人もおられるかも知れません。ワイン好きとクラシック好きが、世間から嫌われてしまうのは、そう言ったところに起因していると思いますが、ひたすらウンチクを聞いて勉強している私たち若手にとっては、ウンチクも有難い限りであります。

 という事で、身近に存在はしているけど、クラシック音楽を知らないという多くの人にアプローチする事ができたら、その人たちがもっと関心を持ってくれたら、そんな事を毎日考えています。

 このコンクールを通して、多くの方々に関心を持ってもらい、若手演奏家の活動の機会の一助になれたら、どれほど素晴らしい事かと考えております。

 ファイナル当日、私はとびっきりのワインを優勝者の方と開けたいと思います。このコンクールのグランプリに相応しいワイン。もし、銘柄を分かった人がおられたら、こっそりと打ち上げ会場にご招待いたします。一緒に飲んでください。

 もっと身近に、クラシック音楽を楽しんでいただけるよう、最高のコンクールを作り上げたいと思っています。エントリーの受付は28日の23:59までとなっております。是非とも、駆け込んでください。

2022.10.25 室内楽コンクールOSAKA事務局

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